中計2026、もう少し知りたい！教えてCxO！
～CHRO美濃さんが説く、目の前の業務の先にあるグループの未来～
皆さんにご覧いただいた「パーソルグループ中期経営計画2026」の動画、アンケートではたくさんのコメントをいただきました。
アンケートでは約90％の方が「理解できた」「まあまあ理解できた」と回答いただきました。
一方で、「もっと詳細を知りたい」「具体的な内容を聞きたい」といった声もいただいております。
動画の中ではお伝えできず、もっともっと知ってほしいこともたくさんあるため、4回シリーズで、各CxOに動画でお話いただいた
パーソルグループ中期経営計画2026（以下、中計2026）の詳細についてお聞きしています。
第3回目はCHROの美濃さんです。
美濃さんが説く中計を理解するためのポイントは、目の前の業務と会社が目指すことはつながっていると信じること。
＜動画の中で美濃さんにお話いただいたパートはココ！＞
【Question】今話題の「人的資本」、パーソルでも
事業成長のエンジンの一つとしたのは、どんな背景からだったのでしょうか？
【Answer】
社会的にバズワードになっているからということではなく、私たちのビジネスはすべて「人」に起因するからです。
経営資源は一般的に「人」「金」「物」「情報」と言われてきましたが、
人は道具ではないので資源ではなく「資本」だと捉えるその中の流れになりました。
この中でもパーソルにとってキーになるのは「人」と「情報」。そして、この「情報」も基本的には「人」がもってくるもの。
データを扱うのも「人」。「人」、つまり社員の皆さんがすべてであり、事業成長のエンジンである、という考えです。
そのため、社員の皆さんの“はたらくWell-being”のためにもしっかり投資していく方針です。
特に、今回は社員だけではなく、登録いただいている派遣スタッフの方までを対象にしていることが大きな意思決定だったと思います。。
【Question】画期的な取り組みと聞きました！
なぜ派遣スタッフの方も対象にすることになったのでしょうか？
【Answer】人材サービスビジネスを生業にしていて、中でも人材派遣事業において業界トップである立場としては、
派遣というはたらき方のイメージをもっとポジティブに変えていきたいからですね。
パーソルには約10万人の方が就業してくれています。
世間の一部の声としては「正社員になれないから派遣社員ではたらいている」とありますが、
積極的に派遣を選択している方も多数いらっしゃいます。その方々がはたらくWell-beingを実感することができれば、
派遣でははたらくことが前向きに選択するようになるもの、というイメージにつながると思います。
そのために、スタッフウェルビーング委員会を立ち上げて、
派遣スタッフの方がより良い人生を送るためのリスキル支援などに力を入れていこうとしています。
これは業界でも例を見ない画期的な取り組みですよ。
【Question】人事観点で見た場合、パーソルは今どんな状況だと思いますか？
【Answer】人事課題は、大きく発生型と設定型に分かれます。
発生型は、たとえばコロナの発生により出社ができない・リモートワーク環境を整えなければいけない・
ワクチン接種環境をつくる必要がある、など、すでに表面化していて明確に見えている課題。
法改正への対応などもそうですね。
これらはグループの人事の皆さんが着実に対応してくれているので、大きな問題はありません。
設定型は自分たちで設定した目標を達成する上で発生する課題で、
エンゲージメントスコアを上げたい・退職率を下げたい、といったものが挙げられます。
この設定型の中でもマクロ・ミクロ・運用・施策、という4つのタイプに分けられます。
「マクロ」観点では、エンゲージメントスコアや退職率・女性管理職比率などの推移を示すものです。
いくつも指標がありますが、おおむねどの指標も経年で良化しています。
一方で役員陣が男性ばかりという問題は依然あります。
もう少しお時間をいただければと思います。
「ミクロ」観点では足元の人材不足や、組織の人間関係などの問題です。
社員の皆さんにとっても比較的目に入りやすいポイントなので、イメージしやすいのではないでしょうか。
現状必要な採用数には届いていないですが、採用力は以前よりも強化できており、
世の中的に人材不足の中でも多くの方にご入社いただいています。
「運用」観点では社員の皆さんの個人情報を管理し、日々のお給料や社会保険や諸々の対応を適切に行うか、という観点です。
ちょうど7月末に人事基幹システムのCOMPANYのバージョンアップを行いました。
APACにも同様の仕組みを入れていくことが今後の課題です。
「施策」観点ではさまざまな人事制度が挙げられますが、これは常に改善を続けていくところだと思います。
一つは新しく始まる「キャリアスカウト」が大きな目玉施策ではないでしょうか。
【Question】「キャリアスカウト」はアンケートでも社員の皆さん関心の高さを感じられました！
一方で、アンケートではなぜ管理職の支援を厚くするのかという声もありましたがこの点どうお考えですか？
【Answer】なぜメンバークラスではないのか、ということですよね。
順番としてどちらが先なのか、という問題があるのではないかと思いますが、まず、今の管理職の皆さんはとにかく忙しい。
管理職なので配下メンバーのケアもしながら、自身もプレイヤーでいることがとても多い。
そんな大変そうな管理職を見ていて、メンバーも管理職に魅力を感じることができない状態になると、
長 い目で見て組織として成り立たなくなってしまいますよね。
今の経営陣も他社から見たら若い方だと思いますが、今後の世代交代を見据えて、
20～30代の皆さんを次世代リーダーとして引き上げていきたいですし、
そのためにも管理職の皆さんにはもっと余裕と時間を提供し、自己研鑽の時間や成長機会をつくることが重要だと考えています。
それに何よりも、自分の上司が生き生きとはたらいていたら、自分自身もやる気になりませんか？
結果的に、管理職の皆さんを支援すること、つまり最高のリーダーを生み出すことは、
波及的にメンバーの皆さんにもつながっているのだと思っています。
ですので、皆さんにも少なからず、ポジティブな影響があると信じて待っていてください。
【Question】社員の皆さんへの影響としては、
35億円のリスキリングへの投資も大きなインパクトではないでしょうか？
【Answer】メディアでもよく見ますよね、「社員に○○億円投資します！」という記事。
実は人材開発投資の定義は定められていないので、細かく見ていくと各社投資する対象にバラツキがあるのが実態です。
パーソルの場合は、研修や施策への投資を指していて、そこに関わる人件費は含んでいません。
ですので、この金額のインパクトはそれなりにあると思います。
35億円の使い道を気にされている方も多いみたいですが（笑）、
グループ共通で行う施策は全体の5％以下で、それ以外は各SBU/Function Unitごとに施策を展開していく予定です。
各SBU/FUからのアナウンスを楽しみにしていてください。
とはいえ、35億円のうち25億円は人材開発費として、リスキルやアップスキルなど、
社員の皆さんがスキルをアップデートすることに使われる予定です。
残りの10億円は、各社ごとに、より良いはたらく環境をつくることに投資されます。
【Question】社員のために多くの施策が動くことは分かりましたが、
社員のエンゲージメントはどのように測っていきますか？
【Answer】やはり、エンゲージメントサーベイのスコアではないでしょうか。
役員の皆さんの評価指標にも入っていますからね。
つまり、「このスコアが上がっているから、あなたの評価は○」と言われるということです。もちろん、私もです（笑）。
社員の皆さんが、今の仕事に満足しているかを測るワークエンゲージメント、
今所属している組織に満足しているかを測る組織エンゲージメント、この2つが上がっていると、
社員の皆さんが総合的にいい状態になってきている、と思えるのではないかと思います。
これらの指標と、「はたらいて、笑おう。」を体現できているかを測る設問の合算値は、
この3年で大きくスコアアップし、公開している企業の中ではかなり高い方になると思います。
細かいところではいろいろ課題はあるかと思いますが、グループ全体で見た場合にはとてもいい変化を経ていると言えるでしょう。
【Question】自分自身に直結するテーマが多くて、中計がちょっと自分事化できそうです。
【Answer】私の個人的な見解としては、自分の業務と中計との関係性は次のように考えられるといいのではと思っています。
⓵まずは目の前の業務に集中して頑張る。
自組織で展開されている方針と、グループの中計のテーマはつながっていると信じてください。
②次に、自分は何をしたいのか、と自分自身に向き合うこと。
組織から求められることも大事なのですが、自分自身の想いもないがしろにせずに大事にしてください。
それが、パーソルが大 事にしている「自分のはたらくは自分で決める」ということにもつながってくると思います。
③そして、自分の外に目を向けてみること。
まずは一緒にはたらく仲間や家族、お客さま、そして社会全体の動き。
そうすると、中計で言っていたことはこういうことか、と見えてくるはずです。
自分事化、って言うととてもたいそうなことのように見えますが、実際は目の前のことの積み重ねだと思います。
たとえば「温暖化が大変だ！」って言われても、「どこかの誰かが解決してくれる」、
ではなく、「マイバックを使おう」「エアコンの温度を一度上げよう」というようなことの積み重ねなんですよね。
中計も同じようなことだと思っています。
今目の前の仕事は、必ず誰かの役に立っているし、それはパーソルの目指す方向に進んでいるということ。
つまり、それはもう自分事化されているということでもあると思います。
日常を大事にすることが、パーソルのグループビジョンや目指す姿につながっていると信じて頑張っていきましょう！
最近、ウエルビーイングという言葉を聞きますが、どんなことでしょうか？世の中でも、パーソルGでも、皆さん、知りましょう。